奥の細道【マップ付き!分かりやすい現代語訳#17】笠島
登場する場所
番号と対応した地図です。東北地方の名所は頻繁に立ち寄っていることが分かります。
17『笠島』では、
31 鐙摺石
32 白石城
33 愛島笠島
34 蓑輪
35 笠島
36 岩沼宿舎
が該当します。
原文
鐙摺白石の城を過笠島の郡に入れば
藤中将実方の塚はいづくのほどならん
と人にとへば
是より遥右に見ゆる山際の里をみのわ笠島と云道祖神の社かた見の薄今にあり
と教ふ
此比の五月雨に道いとあしく身つかれ侍れば
よそながら眺やりて過るに
蓑輪笠島も五月雨の折にふれたりと
笠島は いづこさ月の ぬかり道
岩沼に宿る
現代語訳
鐙摺(あぶみすり)、白石城(しろいしじょう。伊達家重臣、片倉家の居城)を通り過ぎ、愛島笠島(めでしまかさしま)の郡に入った。
「藤中将実方の塚はどこですか。」
と人に問うと、
「ここから遥か右に見える山際の里を蓑輪(みのわ)と笠島といいます。道祖神社の形見の薄も、今も残っていますよ。」
と教えてくれた。
藤原実方は、藤原行成に政争で敗れ、陸奥守に就任しました。
この時、道祖神の前を馬から下りずに横切ったところ、罰が当たって、実方は馬の下敷きになって死んだという話があります。
そして、西行法師は、藤原実方の墓を訪れてこう詠んでいます。
『朽ちもせぬ その名ばかりを とめおきて 枯野の薄 形見にぞ見る』
朽ちることのない名声だけをこの世に残した実方殿よ。そのようなあなたの晩年を思うと、枯野に生える薄を、あなたの形見として見てしまいますよ。
この時期は五月雨で道がひどくぬかるんでおり、さらに体も疲れていた。
そんな身で蓑輪や笠島を眺めて通り過ぎると、どちらも五月雨の季節にふさわしい情景だと思われた。
笠島は いずこ五月の ぬかり道
藤原実方の墓がある笠島はどこにあるのだ。
笠を被っているとはいえ、五月雨でひどくぬかるんだ道では、たどり着けないよ。
岩沼(奥州街道第六十六番目の宿)に泊まった。
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