プロフィール帳

『奥の細道』

時代:江戸

作者:松尾芭蕉

概要:自然や歴史、人の営みの美しさを見出した、東北・北陸を巡る紀行文学

9

オススメ度

7

日探重要度

5

文量

5

読解難易度

 

登場する場所

番号と対応した地図です。東北地方の名所は頻繁に立ち寄っていることが分かります。

36『金沢』では、

100 卯の花山(砺波山)

101 倶利伽羅峠

102 一笑塚

103 小松

が該当します。

原文

卯の花山くりからが谷をこえて金沢は七月中の五日也

爰に大坂よりかよふ商人何処と云者有

それが旅宿をともにす

一笑と云ものは此道にすける名のほのぼの聞えて世に知人も侍しに去年の冬早世したりとて其兄追善を催すに

塚も動け我泣声は秋の風

ある草庵にいざなはれて

秋涼し手毎にむけや瓜茄子

途中吟

あかあかと日は難面もあきの風

小松と云所にて

しをらしき名や小松吹萩すすき

現代語訳

卯の花山(砺波山の異称。倶利伽羅峠の一部)と倶利伽羅峠を越えて、金沢に着いたのは7月15日であった。

ここに、大坂から商売に通っている商人、何処(かしょ。詳細不明)という者がおり、その者と旅の宿を共にした。

小杉一笑(金沢の俳人。葉茶屋を営む)という者は、この道での評判は薄々で、なんもなく耳にするくらいの人物である。

実は彼と知人であったのだが、去年の冬に早死にしてしまったということで、兄のノ松(べっしょう)が追善供養のための句会を催すことになった。

塚も動け 我泣声は 秋の風

墓よ動いてくれ。私の泣く声は、秋風のように寂寥としているよ。

とある草庵に誘われて詠む。

秋涼し 手毎にむけや 瓜茄子

涼しい秋に相応しい瓜茄子といった秋野菜。

皆それぞれ剥こうではないですか。

その道中に詠んだ。

あかあかと 日は難面(つれなく)も あきの風

赤赤とした太陽は、容赦なく照らしてくるけれども、涼しい秋風は、秋の気配を感じさせてくれるよ。

小松(現石川県小松市)というところで詠む。

しをらしき 名や小松吹 萩すすき

「小松」とは可愛らしい名だなあ。その名にふさわしく、小さな松に吹く秋風が、萩やすすきを靡かせているよ。

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