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『上米の制-あげまいのせい』現代語訳|内容を分かりやすく解説

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プロフィール帳

『上米の制』

時代:江戸

作者:徳川吉宗

概要:享保7年(1722)に享保の改革の一環で行われた制度。一見関係なさそうにみえるが、参勤交代の根本原理を変えた重要な制度でもある。

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2

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上米とは

上米とは、字のまま「米を上げる」の意味です。上げるとは、暴力団でいわれる“上”納金の上と同じで、要するに、献上する、という意味です。

上米の制とは

米を幕府に献上する制度

上=献上する の意

このようになった原因、そして『上米の制』の影響、メリット・デメリットはこちらで解説しています。

上米の制とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説!実は誰も得しない制度だった プロフィール帳 『上米の制』 時代:江戸 作者:徳川吉宗 概要:享保7年(1722)に享保の改革の一...

現代語訳

御旗本に召し置かれ候御家人、御代々段々相増し候。

御蔵入高も先規よりは多く候得共、御切米御扶持方、其外表立ち候御用筋の渡方に引合候ては、畢竟年々不足の事に候。

然共只今迄は所々の御城米を廻され、或ひは御城金を以て急を弁ぜられ、彼是漸く御取続の事に候得共、今年に至て御切米等も相渡し難く、御仕置筋の御用も御手支の事に候。

それに付御代々御沙汰候様に仰付けらるべしと思召し候。

左候はては御家人の内数百人も御扶持召放たるべくより外はこれ無く候故、御耻辱をも顧みられず、仰出され候。高壱万石に付米百石の積り差上げらるべく候。

且又此の間和泉守に仰付られ、随分詮議を遂げ、納り方の品、或ひは新田等取立の儀申付け候様にとの御事に候得共、近年の内に相調へがたくこれ有るべく候条、其の内年々上り米仰付らるるこれ有るべく候。

これに依り在江戸半年充御免成され候間、緩々休息いたし候様にと仰せ出され候

幕府直属の旗本に仕える御家人の数は代々増えてきた。

その一方で、蔵入地(幕府直轄地)からの収入も昔に比べて増えてはいるものの、家臣たちへの切米や扶持米の支給や、その他公的な支出に対応するには十分とはいえない。つまり、年々財政難が深刻化しているのだ。

とらちゃ
とらちゃ

切米 :年数回に分けて米を支給する制度

扶持米:毎月一定の米を支給する制度

しかしながら、これまでは、各地の城に蓄えられた米(御城米)を開放したり、金(御城金)を使ったりして、この現状に何とか対応してきた。しかし、今年に至って切米の支給すらも難しくなり、幕府運営に支障をきたす事態となった。

こうした状況を受けて、先代の事例のように、当代でも対応策を講じる必要があると考える。

そういうわけで、御家人の内、数百人を扶持米の支給対象から外すこととした。これより他に手は無い。この措置は幕府にとって恥辱であるが、発令されることとなった。

また、石高1万石につき米100石を幕府に積み上げる(納める)こととする。さらに、幕府は最近、和泉守、水野忠之と十分な議論を重ね、年貢や新田開発に関する税の増徴を決定した。とはいえ、近年の内に整備するのは難しいため、そのうち毎年の上納米を増やすようにとの命令が出される可能性はあるだろう。

これら対応につき、参勤交代の際、御家人の江戸滞在期間を1年間から半年間に変更した。財政の緩和を図ることが目的である。

まとめ

実は、最後の一文が江戸幕府の在り方を変える超重要項目でした。

法令に「恥辱」とあり、内心が漏れるほど、苦しい財政であったことが分かります。『上米の制』はその現状への、打開の一手となったのです。その結果はいかに・・?

詳しくは、解説をご覧ください。

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