プロフィール帳

『奥の細道』

時代:江戸

作者:松尾芭蕉

概要:自然や歴史、人の営みの美しさを見出した、東北・北陸を巡る紀行文学

9

オススメ度

7

日探重要度

5

文量

5

読解難易度

 

登場する場所

番号と対応した地図です。東北地方の名所は頻繁に立ち寄っていることが分かります。

40『全昌寺』では、

108 全昌寺

が該当します。

原文

大聖寺の城外全昌寺といふ寺にとまる

猶加賀の地也

曾良も前の夜此寺に泊て

終宵秋風聞やうらの山

と残す

一夜の隔千里に同じ

吾も秋風を聞て衆寮に臥ば明ぼのの空近う読経声すむままに鐘板鳴て食堂に入

けふは越前の国へと心早卒にして堂下に下るを

若き僧ども紙硯をかかへ階のもとまで追来る

折節庭中の柳散れば

庭掃て出ばや寺に散柳

とりあへぬさまして草鞋ながら書捨つ

現代語訳

大聖寺(現石川県加賀市)の城外にある全昌寺という寺に泊まった。

とらちゃ
とらちゃ

城外というのは、この大聖寺が加賀藩の支藩である、大聖寺藩の城下町だったためです。

まだ加賀国の領地内である。曾良も前の夜はこの寺に泊まって、

夜もすがら 秋風聞くや 裏の山

一晩中、全昌寺の裏山に吹き渡る秋風の音を聞いていたよ。秋風が、芭蕉先生との別れの辛さを感じさせててれる。

と残していた。

まさに、一夜の隔たりというのは千里の距離に等しい。

私も秋風を聞きながら衆寮(しゅりょう。喫茶や談話、面会などを行う場所)で横になっていると、夜明けの空が近くなっていた。

読経の声が澄み渡る中、鐘板が鳴ったので、食堂に入った。

「今日は越前国へ行こう。」

と心ばやに堂の下へ向かうところで、若い僧たちが紙と硯を抱えて階段の下まで追ってきた。

その時、庭の柳が散っていたので、

庭掃て 出ばや寺に 散柳

柳が散り敷いている。

泊めてもらったお礼に掃いてから出発しようか。

と、即興で、草鞋のまま書き与えて筆を捨て置いた。

とらちゃ
とらちゃ

掃くことなく出ていきました。

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