プロフィール帳

『奥の細道』

時代:江戸

作者:松尾芭蕉

概要:自然や歴史、人の営みの美しさを見出した、東北・北陸を巡る紀行文学

9

オススメ度

7

日探重要度

5

文量

5

読解難易度

 

登場する場所

番号と対応した地図です。東北地方の名所は頻繁に立ち寄っていることが分かります。

27『尾花沢』では、

75 尾花沢

が該当します。

原文

尾花沢にて清風と云者を尋ぬ

かれは富るものなれども志いやしからず

都にも折々かよひてさすがに旅の情をも知たれば

日比とどめて長途のいたはりさまざまにもてなし侍る

涼しさを 我宿にして ねまる也

這出よ かひやが下の ひきの声

まゆはきを 俤にして 紅粉の花

蚕飼する 人は古代の すがた哉

曾良

現代語訳

尾花沢(現山形県尾花沢市)で鈴木清風(紅花問屋を営む俳人)という者を訪ねた。

彼は裕福な家ではあるが、その心は卑しくない。都にも折々通っているだけあって旅の情(ここでは疲れるということ)も知っていたので、数日引き留めてくれた。

長旅を労ってくれて、色々ともてなしてくれた。

涼しさを 我が宿にして ねまるなり

この家の涼しさを我が物にして、自分の家のようにくつろいでいます。

「涼しさ」は、体感としての涼しさ、主人の心意気や「鈴」「清風」といった言葉遊びになっています。

這出(はいい)でよ 飼屋(かいや)が下の 蟾(ひき)の声

這い出てきてくれよ。

飼屋(養蚕小屋)の床下で鳴いているヒキガエルよ。

眉掃(まゆはき)を 面影にして 紅粉(べに)の花

眉掃き(化粧の時に使用する、粉を払う刷毛)する姿は、美しい紅粉花(べにばな)の面影に重なるよ。

源氏物語「末摘花」は、紅粉花の別称です

曾良

蚕飼(こがい)する 人は古代の 姿かな

養蚕の人の服装や仕事ぶりを見ると、古代の農民の姿が映ってくるよ。

「こがい」「こだい」で言葉遊びしています。

これは、決して農民を馬鹿にしているわけではなく、伝統が地方に受け継がれていることに感動している歌です。

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