史料

意見封事十二箇条<全現代語訳>⑦第7条:役人の給料の支給を平等に!

作品を知ろう!!!

三善清行 平安

延喜4年(914年)に醍醐天皇に提出された政治意見書。平安末期の社会情勢と律令制の崩壊を知ることができる。

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律令制崩壊と負名体制に移行する移行期の社会を如実に示した非常に史料価値の高い意見書です。
意見封事十二箇条<全体構成と内容>律令崩壊期の社会変化を解説! 現代語訳一覧 各条文の現代語訳はこちらです! 現代語訳一覧 序文 第一箇条 第二箇条 ...

現代語訳

役人の季禄の不平等解消を求めます

意見申し上げる1

述べます事、条文として提案いたします。2月22日、大蔵省にて、大勢の役人の四季の俸禄を支給すべきです。近年、官物が欠乏しており、全ての者に報酬を与えることが出来ていません。そのため、全員ではなく、身分の高い公卿と諸省庁の出納官司だけには毎年支給しています。それ以外の諸官人は、5・6年のうち、一季分の支給が難しい状況です。

意見申し上げる2

伏して私の考えをもとに立案いたしますと、位階の上下で支給制度を変更すべきです。そのため、俸禄が多少異なるといいましても、そのため、物の細かいことは閑散期と繁忙期で異なります。俸禄を支給するにあたり、当然差別は無くすべきです。ああ、ともに皇室に勤めてきた者が異なる待遇に置かれ、各国をあちこち飛び回る列に加わり、卑しい身分の習俗に染まる事を皇室にいたころと並べて考えられましょうか。いや、できません。

意見申し上げる3

恐れながら希求します。季禄の支給に関して、公卿、大勢の役人一日で遍く支給することを条文として制定するのです。もし朝廷が有する倉庫に物が無ければ、公卿、大勢の役人にも支給しません。不公平を無くすのです。親のカッコウが背の高い桑の木に留まり、七匹の子を等しく養っているように、身分の高い者が公卿を含む下の者皆に等しく報酬を分配するのです。酒を漬け込み、兵士の皆が身分関係なく酒に酔う良い機会です(職種を問わず皆が同じ待遇を受けることができる機会になるという意味)。